業(ごう)を果たす

皆様によくご承知頂きたいことですが、人間文明には何の目的もないということです。人間文明には目的も価値もないということ、この世は滅びるに決まっているということです。このことをよく知らなければ、本当の聖書の感覚に溶け入ることはできないのです。

色々な学問や知識について勉強していた方は、特に考えて頂きたいのです。現世の勉強というのは相当な魅力があるのです。

釈尊の思想は今の日本では完全に誤解されています。これは日本だけではなくて、世界中の人々が誤解しているのです。皆様も全く分かっていないと言えるのです。

釈尊は明けの明星を見て悟ったのです。これが仏です。これが仏陀です。明けの明星が分からない者は仏陀とは言えないのです。

明けの明星は新しい太陽が出る前の星です。新しい時代が現われる前兆を指しているのです。これを釈尊は見たのです。

　日本の仏教はどれもこれも皆だめです。日蓮は日本国家社会が絶対のような感覚を持っていたのです。だから全然だめです。日蓮は現世を認めてしまっているのです。

　親鸞は人間を認めているのです。人間を認めているから、「いかなる行も及びがたき地獄一定の身である」と言っているのです。これは自分の肉体的存在を認めていることです。

　日本の先哲賢人と言われた人で、命が分かっていた人は一人もいなかったのです。日本の宗教改革の時代には、日蓮、親鸞、道元、栄西、法然、最澄、空海といった人々が出ました。今から七、八百年くらい前です。

　その当時の日本には相当の人が現われたのですが、全部仏教の改造でした。仏教の思想を日本的に焼き直しただけのことでした。釈尊の悟りが全然分かっていなかったのです。

　こういうことをまずご承知頂かなければ、私が書いたり話したりしていることがご理解頂けないと思います。

　世界的に見て頂きたいのです。世界の歴史の成り立ちを見るのです。人間文明の本質を弁えるということができない人は、私のいうことは到底理解できないでしょう。そういう人は私の話を聞く資格がない人だと考えて頂きたいのです。

　人間文明は何の価値もないものです。しかし、人間文明がなかったら聖書が伝承できなかったということは言えるのです。これだけがキリスト教の取り得だということができるのです。

　キリスト教は神の聖書を人間の聖書に変えてしまったという大失敗はありますけれど、とにかく聖書の文字を改竄しないで、また、葬りもしないで、聖書六十六巻を今日まで伝承してきたということだけがキリスト教の取り得です。

　日本人は、アブラハムの約束に関係がない人間ですから、私はぼろくそに言うのです。アブラハムの約束に関係がない人間は、本質的に動物です。このことをしっかり承知して頂きたいのです。

　現在の人間文明は動物文明であって、霊魂の文明とは違います。肉体人間は動物性を意味するのです。人間文明は動物文明を意味するのです。高級な動物の文明です。高級動物の暮らしの状態を人間文明と言うのです。

　トインビーという世界一流の歴史学者がいましたが、歴史と文明という言葉をごちゃごちゃにしていたのです。彼は世界一流の歴史学者でしたが、歴史ということの説明ができなかったのです。長文の「歴史の研究」という本を書いていますが、人間の命ということが全然分からなかったのです。

　今の文明は全く馬鹿みたいなものです。そんなものにとりつかれて何になるのかと言いたいのです。

　今の文明があることが何になるのでしょうか。こういうことが分からなければ、皆様は神が分からない人になるのです。

　分からないのが悪いのではありません。分からないということに気が付いて、教えてほしいと言うのならまだ見込みがありますけれど、文明に値打ちがあると思っている人は、聖書の勉強をする値打ちがない人です。

　人間社会があって何になるのでしょうか。皆様は今まで何十年もこの世に生きてこられましたが、命について何が分かったのでしょうか。ただ生活してきただけです。生活をしていたということで、何の効果があったのでしょうか。ただ罪を造っただけです。人に迷惑をかけていただけです。

　自分では一人前に働いていたとか、仕事をしてきたと言いますけれど、働かせてもらっただけであって、自分だけの力ではないのです。自分が働いた何倍かの迷惑を他人にかけているに決まっているのです。

　人に迷惑をかけたことを考えずに、働いた、働いたと言って威張っているのです。何を言っているのかと言いたいのです。そういう思い上がった考えを捨てなければいけないのです。

　皆様は何となく心の中で威張っているのです。自分は仕事をしたとか、物事が分かっているとか、しっかりした人間だと思っているのです。勝手にそう思い込んでいるのです。

　こういう考え違いを根本から認識しなければ、神を勉強する資格はないのです。

　誠の神を信じるというのは、よほど運の良い人でなければできないのです。宗教の神なら誰でも信じられますが、本当の神はそうではない。よほど運の良い人でないと信じられないのです。

　男女が交わって男が射精すると、二億以上の精子を発射するのです。二億以下では受胎の可能性がないようです。二億から二億五千万の精子が発射されて、人間になるのはたった一匹だけです。

　しかも、たった一回の交わりで受胎するとは限りませんから、受胎する確率は非常に少ないのです。何億とか何十億の中の一匹だけと言えるのです。

　本神の神が分かるというのは、これくらいの確立になるのです。皆様に本当の神が分かって、神のヘルパーとなって、永遠に宇宙の王となる栄光を与えられる可能性は、何百億分の一くらいです。

　命の本源である生ける神のヘルパーになって、神の番頭になって、永遠の宇宙を任せられる人になるかならないかの話です。

　こういう考え方は日本には初めからありません。全然ないのです。日本には天皇制があります。徳川時代にあった話ですが、天皇は正月のお雑煮に本来は鶴の身を入れて、お正月を祝うというのです。

　ところが、宮中樒(しきみ)ということで、だんだん貧乏になっていったのです。ある関白が陪食を仰せ付けられたのですが、その時に雑煮に鶴の代わりに焼き豆腐が入っていたのです。天皇は焼き豆腐をつまんで、「今年の鶴は焼き豆腐に化けたのか」という皮肉を言ったということです。

　鶴ができないのならせめて鶏肉に化けたらいいのですが、それも当たらなかったのです。鶴だと言いながら、実際は鶏であったようです。その鶏も食べられなかったのです。

　そんな貧乏な天皇がなぜ日本では必要なのかということです。人間社会の常道から考えてみると、そんなものは必要がないのです。

　そういう天皇をなぜ日本では畏れかし込んでいたのでしょうか。この説明ができないのです。明治天皇のように威勢がいい人は、後にも先にもたった一人でしょう。

　第二次大戦前には軍部が天皇を現人神として持ち上げすぎたのですが、天皇は位だけはあったのですが、力は全くなかったのです。餅を買うお金でさえなかった時があったのです。

　天皇の一族は陰で色々と商売をしていたようですが、天皇自身はそういうこともできなかったのです。一切無給だったのです。

　こういう皇族がなぜ日本で伝承されたのでしょうか。普通の社会歴史の流れから言えば、消滅してしまうのが当たり前でした。これが消滅せずに伝承されたのはなぜでしょうか。これが説明できる学者が日本には一人もいないのです。

　日本人には説明できないのですが、ユダヤ人なら説明できるのです。日本人が考えている人間と、丸裸の人間とは全然違うのです。

　現在、聖書は完全にキリスト教のテキストになっていますが、聖書とキリスト教は本来何の関係もないのです。全く関係がないのです。全然関係がないのです。

　これはユダヤ教とモーセの律法と関係がないようなものです。ユダヤ人は、モーセの律法はユダヤ教のように思い込んでいるのです。

　人間は大から小に到るまで誤解の塊です。人間は何のために生きているのか。人間とは何者であるのか。こういうことが全然分からないのです。分からないままの皆様が、私の話を聞いて感心しているというのはどういうことでしょうか。

　皆様は霊魂とは何かが分からないのですが、私の話を聞かなければならないというセンスは持っているのです。

　神はキリスト計画に基づいて世界の歴史を展開していますが、全世界の人間が、神の子になる可能性があるのとは違うのです。

　聖書は一種特別の霊的な思想であって、普通一般の人が聞けるものではないし、聞いたところで役に立たないのです。

　皆様が勉強しているからと言って、世間には通用しないのです。私は世間一般に通用していない人間です。ただ一種独特の匂いをかぎつける人にだけは、これはすばらしいということが分かるのです。普通一般の人は何を言っているのか分からないと言われるのです。

　聖書はキリスト教のように世界一般に公開すべきものとは違うのです。聖書の本当の内容を書いても分からないでしょう。分かった人はどうかしているのです。

　神がこの世を造ったこと、人間を造ったこと、皆様にこの原点がまず分からなければいけないのです。

　神がこの世を造ったこと、また、人間を造ったのはなぜか。なぜこんなものができたのか。仏教にはこういう教えが全然ないのです。

　大乗仏教は文句ばかりを並べていますけれど、奥行きが一つもありません。八万四千の法門と言いますけれど、奥行きがないのです。八万四千というのは人間の毛穴の数と言われているのです。それだけ仏教の入口は多いと言うのです。入口だらけです。

　八万四千の法門というのは形になっていて、あらゆる所から入れるというのです。入れることはできても上っ面だけで奥行きがないのです。中身が全くないのです。これが仏教です。

　四諦八正道、十二因縁と言いますけれど、奥がないのです。間口だけです。これが異邦人の宗教です。日本の宗教そのものです。

　仏教は全くの虚仮脅しです。空海の曼陀羅は間口ばかりです。奥行きは一つもないのです。命の実質が分からなければ、魂の実体が分からなければ、奥行きはできないのです。

　聖書は入口はほとんどないと言ってもいいのです。ないことはないのですが、入口を見つけることが大変なのです。ようやくにして入口を見つけても、そこから中へ入るのが大変なのです。

　まず入口を見つけるのです。本当の聖書の入口というのは、めったに分かりません。今の日本では今のところ私だけでしょう。神がそうしているからしょうがないのです。キリスト教ではない聖書とはっきり言えるのは、私以外にはいないのです。

　キリスト教は感心しないという人はたくさんいますけれど、感心する聖書はどこにあるのかというと、ないのです。正しい聖書の捉え方が分からないのです。

　聖書の入口がどこにあるのか分からないのです。その入口を見つけたとしますと、そこから中へ入るのが大変なのです。まず御霊を受けることが必要です。御霊を受けるというのは、宇宙構造の秘密の中へ入ることです。

　積極的なエネルギー、プラスのエネルギーの本物の中へ入っていくのです。命の実物の中へ入っていくのです。そのために、御霊を受けるのです。御霊を受けることが玄関に入ることになるのです。

　まず御霊を見つけることが大変です。そして、今度は入ることが大変です。そうして、ようやく中へ入りますと、神の国が無限に広がっていることが分かるのです。だから、一年や二年勉強しても奥行きが分からない。無限に奥行きが広がっているからです。

　聖書は奥行きばかりです。間口はなかなか見つからないのです。本当の洗礼というのはめったに受けられないのです。私はなかなか洗礼を授けません。授けても意味がないからです。

　キリスト教の牧師はすぐに洗礼を授けます。洗礼を受けて何の効果があるのか、牧師も知らないし、受けた人も分からないのです。教会は入会の儀式のように考えているのです。こんなものは何の意味もないのです。

　イエスは「羊の装いを持ってくる預言者を警戒せよ」と言っています（マタイによる福音書７・15）。教会へ行きますと、「よくいらっしゃいました」と言って大歓迎してくれるのです。キリスト教の牧師はとても御愛想がいいのです。

　神と一緒に生きることが生活です。これを命を生きるというのです。生きているということが神です。従って、生きていながら自分が生きていると思っている人は死んでいるのです。

　生きているという事がらがそのまま生ける誠の神です。皆様は死にたくないと思っていますが、なぜ死にたくないと思うのでしょうか。これは皆様の霊魂が、生きていることが神であることを直感的に知っているからです。その神と別れたくないというのが本音なのです。

　人間は神と別れたくないのです。これが本音です。

　皆様は塩をなめたら辛いと思います。砂糖をなめると甘いと感じます。誰が塩に味をつけたのでしょうか。人間はこれを考えようとはしないのです。これを罰当たりと言うのです。

　塩の味を誰がつけたのかということをはっきり考えない人は、地獄へ行く人です。

　この世に生まれて、命のことを全く知らずに死んでいくのが世間並の人間です。この世に生まれてきたことが業(ごう)です。カルマです。

　人間がこの世に生まれてきたことが業です。だから、人間は地獄へ行くのが当たり前です。生まれてきたために、毎日毎日罪を造っているのです。

　塩の味を誰が造ったのかを考えないままの状態で、塩気を毎日食べているのです。塩気なしでは生きていけないのです。塩は誰が造ったのかということを考えないままで生きていることが、業なのです。業が発揮しているのです。神を崇めないで生きているからです。神を神としないままで生きているのです。

　神を神としないということが、犯罪行為です。業というのはただの罪ですが、悪いことをしなくても罪なのです。塩の味を誰がつけたのかということを知らないで生きていることが、罪です。

　これは自分で積極的に悪いことをしようとしているのではありませんが、塩を誰が造ったのかということを知らないで食べていることが罪になっているのです。

　無知が罪です。何のために生まれてきたのかを知らずに生まれてきたことが業です。だから、死んだら地獄へ行くに決まっているのです。必ず行くのです。

　皆様は神が造ったものをただで食べているのです。ちゃんとお金を払って食べていると言われるでしょう。経済的な代価、市場価格は払っていますが、本質価値は払っていないのです。

　例えば、鯖を一匹スーパーマーケットで購入したとします。払った代金は、漁師さんの費用、漁船の費用、運搬する費用、スーパーマーケットでの費用を払っているのであって、鯖が成長するに要した費用は全然払っていないのです。市場価格は払っていますが、本質価値は払っていないのです。

　世間並の価は払っていますが、本質価値は全く払っていませんから、神に対しては大変な借金になっているのです。人間は神に対して借りを持ったままで死んでいくのです。これが地獄へ行く原因になるのです。

　何のために生まれてきたのか、何のために生きているのかを全く知らずに生きています。これが罪です。神を知らずに生きていることが罪なのです。

　男は女を知らずに抱いているのです。これが大変な罪です。世間並だと思って女を抱いている。大間違いです。

　人間はそういう罰当たりばかりをしているのです。だから地獄しか行く所がないのです。

　ところが、大乗仏典一万七千六百巻の中には、地獄のことははっきり書いていないのです。仏教の悪い点は、地獄のことを書いていないことです。これが仏教の大欠点です。

　仏教には絶対がないからそういうことになるのです。仏教には本当の仏がないのです。阿弥陀如来とは、人間が出世した人のことを言っているのです。如来とか菩薩は、人間が悟りを開いた偉い人のことを言っているのです。

　菩薩とは悟りを開いた人、これから悟りを開こうという人をいうのであって、皆様は菩薩になるのです。悟りを開こうとしているからです。

　男は羅漢で女は菩薩です。お坊さんになぜ地球があるのかと問いますと、曰く因縁だと言うのです。因縁とは何かと聞くと、因縁は因縁だと言うのです。それ以上の説明はしないのです。説明ができないのです。

　天理教もそのとおりです。因縁とは何か。ただの因縁と白因縁があると言います。因縁を抹消すると言いますが、その因縁はどこから来たのかと聞きますと、人間は皆因縁を持っているでしまいです。

　日本にある宗教はどれもこれも皆いいかげんなものばかりです。人間の魂について、はっきりこうだと言える宗教は一つもありません。

　地球はやがて終わります。まず人間の文明が終わります。人間の文明が終わりますと、イエス・キリストが復活の命を持ったままで、歴史の真ん中へ割り込んでくるのです。これをキリストの再臨と言います。

　キリストの再臨は新約聖書の中に三百十八回も出てくるのです。これを説明できるキリスト教の牧師はいないのです。三百十八回も書いていながら、この説明ができる牧師がいないのです。

　キリストの復活がはっきり分からないから、再臨の説明ができないのです。今、キリストは復活してどこにいるのか。これが分からないのです。パウロは、「キリストは今第三天にいる」と書いていますけれど（コリント人への第二の手紙12・２～４）、第三天とはどこにあるのか。この説明がキリスト教ではできないのです。国際キリスト教大学の教授でさえもできないのです。

　本当のことの説明を誰もしないのです。本当のことが分かりますと、自分が死ぬべき者ではないということが分かるのです。

　塩の味は、風と波とが触れ合ってできるとしか説明のしようがないようです。なぜ大量の塩が地球にあるのか分からないのです。

　地球には電離層が取り巻いていますが、ここには物質を変えるような働きがあるようです。気体を液体に変える力があるのです。

　かつて、ユダヤ人がエジプトを出て、砂漠の中で彷徨っている間に、天からマナが降ったのです。百五十万人ともいわれる大量のユダヤ人が砂漠の中を四十年間彷徨ったのです。

　これだけの大量の人を養う食料がなかったので、神がマナというパンのような食物を降らせたのです。このマナを入れた壺が日本に来ているのです。金甌無欠とはこれをいうのです。この壺が伊勢神宮に保管されているようです。

　モーセが造った純金の壺がどこへ行ったのか分からないのですが、これが日本に来ているのです。

　皆様の舌には、神が造った塩の味を味わい分ける力があるのです。皆様の命の中には、神を味わうことができるだけの能力があることを示しているのです。これを魂というのです。

　神が造ったものを味わい分ける能力がありながら、神が分からないのです。皆様は毎日、毎日、神の味を味わっていながら、心で神を捉えることができないのです。これが地獄へ行く原因になるのです。

　人間は生まれて二十四時間以内に、お母さんのおっぱいを飲みます。生まれて二十四時間以内に、お母さんのおっぱいを飲むというのは、生まれる前におっぱいの味を知っていたということです。おっぱいの飲み方を知っているから飲むのです。

　生まれる前の命は、神を味わい分ける力を持っているのです。ところが、皆様はこの世に生まれたのです。この世に生まれたということが業です。

　生まれたということが業ですから、生まれたことをなくしてしまわなければいけないのです。自分が生きていたらいけないのです。

　自分の人生が自分のものだと考えていることが、最大の欠点です。

　そこで御霊を受けなければいけないのです。御霊を受けるということは、生まれたという業が消えることなのです。

　御霊を受けるというのは、神の言葉によって新しく生まれることです。肉体的に生まれたということは業の中に入れられたことですから、もう一度新しく生まれるのです。

　聖書に次のようにあります。

　「あなたがたが新に生まれたのは、朽ちる種からではなく、朽ちない種、すなわち、神の変わることのない生ける御言(みことば)によったのである」（ペテロの第一の手紙１・23）。

　生ける御言というのは聖書の言葉です。どこでもよろしいから聖書の言葉の一句を辛抱強く黙想するのです。例えば、「われわれは神のうちに生き、動き、存在しているからである」という言葉が気になるとしますと、この言葉を黙想するのです（使徒行伝17・28）。

　そうすると、この言葉がその人の内に爆発して、古き人が爆破されてしまい、この言葉がはっきり命になるのです。この時に御霊を受けたことが分かるのです。

　聖書の言葉の真意が、瞬間的に皆様の魂に突き刺さるのです。この時に御霊を受けたのです。こういう経験をしなければ、神との付き合いはできないのです。

　御霊を受けた時に、その人は業を果たしたのです。そこで、御霊を受けたことをずっと崇めるのです。その経験を持続すると、カルマが消えてしまうことが分かるのです。皆様はこれをしないので、この世に生まれたという業がいつまでも引っ付いているのです。

　この世に生まれてきた業を肉の思いというのです。この業がいつまでも引っ付いているのです。肉の思いが自分の中からきれいになくなればいいのですが、もしなくならなくても、肉の思いに自分は引きずられないということだけでもはっきり分かってくると、神の中へ入っていけるのです。生きていながら神の国へ入っているのです。こういう経験をして頂きたいのです。

　キリスト教はこういう説明をしてくれません。こういう経験を牧師がしていないからです。こういう経験をしている私たちは天下一品です。全く天下一品です。

　業を果たす方法は御霊を受けるしかないのです。御霊を受けなければ業を果たすことはできないのです。

　御霊を受けるということは新に生まれることです。この世に生まれた者が、神の国にもう一度生まれ変わるのです。そうすると、新に生まれるということになるのです。この経験を現世でしないと神の国に入れないのです。

　文明は人間が造ったものです。歴史は神が造ったものです。歴史はヒストリー（history）でありまして、神の物語ヒズストリー（his story）です。神自身の物語です。これがヒストリーです。

　歴史は神が造ったものです。文明は人間が造ったものです。人間のご都合で造ったのです。歴史は人間のご都合で造ったものではないのです。歴史は神が造ったものです。

　白人が白人として住むべき所に住んでいる。黒人は黒人の住むべき所に住んでいる。これは神がそういう処置をしているのです。人間の処置ではないのです。

　歴史は神の物語ですが、文明は人間の物語です。文明に目的はないのです。歴史には目的があるのです。やがて、人間の歴史が終わって、新しい神の歴史が始まるという目的があるのです。

　人間が業を果たすことによって新に生まれるように、文明も業を果たすことによって新に生まれるのです。人間文明は人間の業の塊です。だから、核兵器というばかなものを造るのです。人間の業が核兵器を造っているのです。やがて、人間文明は消えてしまいます。

　イエス・キリストが復活の命を持ったままで、人間歴史の中へ割り込んできます。そうすると、歴史が新しくなるのです。これがすべての人間が心の奥底で求めている永遠の平和です。その結果、伝染病や病気が一切発生しない地球になるのです。地震、台風、洪水、津波がない地球になるのです。犯罪やテロ、戦争が一切ない地球になるのです。軍隊と病院、警察がない世界がやってきます。

　こういう地球が理想の地球です。今の地球は未完成、未成熟、不完全なものです。やがて地球は完成するのです。こういう地球が実現することを、人間は心の底で望んでいるのです。

　今の地球を本当の地球だと思っているのは、ものを知らない人の考えです。

　今の地球は太陽が照っているという良い所もありますが、雨が降らなくて旱魃になるという悪い所もあります。コレラやチフスの黴菌がわいてくるのです。自然災害が頻発するという悪い点があるのです。

　この宇宙で地球にだけ昼という光の世界と、夜という闇の世界があるのです。こういうことを経験できるのは地球の人間だけです。地球以外には光と闇を毎日経験できる星はないのです。

　地球には悪魔の働き、闇の力と、神の力とが相半ばして働いているのです。これを弁証法というのです。ヘーゲルは弁証法の学者として威張っていますが、聖書を勉強したら簡単に分かるのです。

　皆様はウリの蔓にはナスはならないことを知っています。これが神の安息の原則です。これを聖別と言います。毎年、毎年、人類が必要とする食糧ができているのです。

　かつて、エチオピアに大飢饉が起きましたが、早く独立しすぎたからです。エチオピアの皇帝を殺したからいけないのです。皇帝を残しておいたら、大飢饉は起きなかったのです。エチオピアの労働党が旧ソ連と手を組んで皇帝を殺したのです。

　神が立てた王家の力がなくなったのです。皇帝を殺してしまったので、エチオピアに大飢饉が起きたのです。

　アフリカは肥沃の大陸でした。豊かな土地でした。人権主義がはびこったために、半死半生の大陸にしてしまったのです。人間の文明がアフリカをめちゃくちゃにしてしまったのです。これもユダヤ人の罪悪と言えるのです。

　聖書を勉強するとこういうことがすぐに分かるのです。

　皆様は世々限りなく王となるべき人です。王となるとは神の相談相手になるということです。神は肉体を持ったことがありません。皆様に肉体を持たせて、業の真ん中をくぐらせて、業を突破して霊なる自分を発見した者だけを、神のヘルパーにしようとしているのです。

　皆様は選抜されたのです。この中から神のヘルパーになれる人間はめったにいないのです。ほとんどだめになるのでしょう。落第する人が多いのです。

　人間は死んではいけないのです。死んだ者は負けた者です。ところが、勝った者はイエスの復活によって皆様自身の魂が復活するのです。そのことによって、皆様は過去に生きていて死んだ人間を神に代わって審判しなければならない責任があるのです。

　なぜ神に代わってするのかと言いますと、神は肉体を持ったことがないので、肉体を持っている人間を正当に裁くことができないのです。肉体を持っている人間を神が審判すると、神は肉体を持っていないから神が勝手に人間を審判していると言われるのです。。

　肉体を持っている人間の中から業を突破して、霊に従って新に生まれた者は、肉体を持っている人間の気持ちが皆分かるのです。だから、過去に死んだ何百億人という人間の審判をすることができるのです。これが皆様の役目です。

　肉体を持った人間でなかったら、死んだ人間を裁くことはできないのです。神は肉体を持っていないから人を正当に裁くことができないのです。肉体というカルマのどん底に落ち込んで、カルマを突破して神の国に入ることができた者は、肉体を持って迷いのうちに死んでしまった霊魂を裁く資格があるのです。

　皆様は迷いの中から抜け出して神の国に入ったのです。そして、神の国へ入った人が、何百億人という膨大な霊魂を裁くことになるのです。これは膨大な人間の霊魂の中で世々限りなく王となるということです。

　だからもっともっと苦労をして頂きたいのです。肉体でこの世に生まれてきたという因縁を突破しなければいけないのです。

　自分が生きているという悪い癖をやめて頂きたいのです。自分とは何かということが分かったら、今度は神とは何かを考えて頂きたいのです。神と付き合うためにはどうしたらいいのか、神に言う場合にはどういう言い方をしたらいいのかということです。

　人間から出てしまったら、今度は神と付き合う稽古が必要です。これを勉強して頂きたいのです。

　皆様にとって気持ちを変えるということが一番必要です。行いを変えるのではなくて、気持ちを変えるのです。

　皆様が生きているということが神です。例えば、塩の味を皆様の舌は味わい分けることができます。リンゴを食べたらちょっと甘いとか、ちょっとすっぱいとかが分かります。リンゴを食べたらすぐに神が分かるのです。

　そのように神がつけた果物の味を、皆様は非常に敏感に捉えることができるのです。この能力がありながら神が分からないというのは、皆様の気持ちが間違っているからです。

　皆様に与えられている五官の力というのは、生ける神の力がそのまま植えられていることを意味しているのです。

　生ける神の力が植えられている五官を正しく受け止めることができさえすれば、人間は死ななくなるのです。現に皆様の五官の働きは魂そのものであって、人間は一度魂としてこの世に生まれてくると、命を神から与えられることになるのです。

　命とは何か。生(せい)と命(めい)があるのです。生(せい)は命の本質であり、命(めい)はいのちの働きの状態、またはいのちが現象している状態を意味しているのです。

命(めい)にしぼって説明しますと、命(めい)を一度経験させられますと、返すことができないのです。神に返納することができないのです。命の本質を心得て、本質どおりに命を使いこなすことができた人は、神の子としての永遠の位を与えられるのです。命というのは神が人間に与えたものです。

　聖書に次のようにあります。

　「また天国は、ある人が旅に出る時、その僕どもを呼んで、自分の財産を預けるようなものである。

　すなわち、それぞれの能力に応じて、ある者には五タラント、ある者には二タラント、ある者には一タラントを与えて旅に出た。五タラントを渡された者はすぐに行って、それで商売をしてほかに五タラントを儲けた。

　二タラントの者も同様にして、ほかに二タラントを儲けた。しかし、一タラントを渡された者は、行って地を掘り、主人の金を隠しておいた。

　だいぶ時が経ってから、これらの僕の主人が帰ってきて、彼らと計算をしはじめた。すると、五タラントを渡された者が進み出て、ほかの五タラントをさし出して言った、『ご主人様、あなたは私に五タラントをお預けになりましたが、ごらんのとおりほかに五タラントを儲けました』。

　主人は彼に言った、『良い忠実な僕よ、よくやった。あなたはわずかなものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ』。

　二タラントの者も進み出て言った、『ご主人様、あなたは私に二タラントをお預けになりましたが、ごらんのとおりほかに二タラントを儲けました。主人は彼に言った、『良い忠実な僕よ、よくやった。あなたはわずかなものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ』。

　一タラントを渡された者も進み出て言った、『ご主人様、私はあなたが蒔かない所から刈り、散らさない所から集める酷な人であることを承知していました。そこで恐ろしさのあまり、行って、あなたのタラントを地の中に隠しておきました。ごらんください。ここにあなたのお金がございます』。

　すると主人は彼に答えて言った、『悪い怠惰な僕よ、あなたは私が蒔かない所から刈り、散らさない所から集めることを知っているのか。

　それなら私の金を銀行に預けておくべきであった。そうしたら、わたしは帰ってきて、利子と一緒に私の金を返してもらえたであろう。さあ、そのタラントをこの者から取り上げて、十タラントを持っている者にやりなさい。

　おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう。

　この役に立たない僕を外の暗い所に追い出すがよい。彼はそこで泣き叫んだり、歯がみをしたりするであろう』」（マタイによる福音書25・14～30）。

　泣き叫んだり、歯がみをしたりするであろうとありますが、これが霊魂の刑罰です。魂は自分のものだと考えて、自分の勝手に生きている。人の言うことを聞かねばならないとは思いたくない。人生は自分のものだから、自分の好きなようにすると考えている人は、タラントを地面に埋めているのです。自分の気持ちの中に埋めることを意味するのです。

　この世には一タラント、二タラント、五タラントを与えられたという三種類の人間しかいないのです。タラントは何かと言いますと、その当時のユダヤの金貨を指すのです。この世で通用するもので、どこでも、いつでも通用するのです。一番尊いものを言うのです。

　これは人間の命を指しているのです。人間の命を金貨として現わしているのです。主人が旅立ちをする時に、召使いを集めて五タラント、二タラント、一タラントを預けたのです。

　全世界の人間は、この三種類の人間しかいないのです。この中のどれに自分が当てはまるかを考えて頂きたいのです。皆様の判断のとおりになるのです。

　五というのは神の恵みの数です。数にはすべて教義があるのです。一、二、三、四、五という数にはそれぞれ意味がある訳で、この意味に基づいて考えなければいけないのです。

　五は恵みを意味する数です。自分の命は神の恵みというように判断できる人は、五タラントを与えられていることになるのです。三つの種類の中で一番上等の命です。これは永遠の命を与えられると同時に、永遠の命に基づいて、神の補佐役を命じられる人になるのです。

　五タラントを与えられている人は、自分に預けられただけのものを儲けるのです。五タラントを預けられた者は、他に五タラントを儲けなければならないのです。命を預けられて、生を儲けるのです。

　命はただ肉体的に生きている状態ですから、このままでは生が分からないのです。生きているとはどういうことかが分からないのです。そこで、命によって生を掴まえるのです。「命によって生を受けることができた人は、十の町を支配させる」と書いているのです（ルカによる福音書19・17）。

　同じ譬を言い方を変えて書いているのです。タラントの譬は神の国に係わることです。マタイによる福音書は、ユダヤ人に向かって書かれているのです。ルカによる福音書は異邦人に向かって書かれているのです。神と人との関係の見方が違っているのです。

命(めい)を預けられた者は、生(せい)を掴まえなければいけないのです。命とは今皆様が肉体によって生きている状態です。生とは皆様の五官が働いている状態です。

　皆様の目は花を見ることができるのです。花とは何かと言いますと、神の命が花になっているのです。皆様の目は花が咲いているのを見ているのです。花を見ているのではなくて、咲いているのを見ているのです。

　例えば、雪を見るのは、雪が降っている状態を見ているのです。また、降った状態を見ているのです。これを雪を見ているというのです。

　花が咲いていること、また咲いた状態を見るのです。これが霊を見ているのです。

　人間の五官はすべて状態、即ち霊を見ているのです。人間の耳は霊を聞いているのです。人間の舌は味という霊を味わっているのです。味は霊です。甘いとか辛いというのは霊です。これを味わっているのです。肉ではないのです。

　甘い、辛いを味わっているのは、神が人間の舌に神自身の栄光を味として人間に与えているのです。

　皆様の目や舌は、神の形、神の味、神の働きを見ているのです。神の働きとは神の御霊のことです。これはプラスのエネルギーの働きです。これが神の御霊の働きです。神の御霊の働きがなければ、味は一切できません。花の形もできないし、色も香りもできないのです。花が開くということもないのです。そのように、皆様の五官は、プラスのエネルギーをいつでも見ているのです。

　皆様の霊魂は滅びるはずがないようにできているのです。皆様の目や口は、神の実体を捉えているのです。

　神とは何か。塩が辛いことが神です。砂糖が甘いことが神です。こういう神を掴まえなければだめです。こういう神を掴まえられないのは、自分の魂を自分で握り込んでいるからです。

　魂は自分のものではないのです。人生も自分のものではないのです。

　五と二と一という数があるのです。五は神の恵みの数です。舌が神を味わっていると言われて、これがはっきり分かって食べるたびに、自分は舌を通して神と交わっているのだ、神と自分はこんなに近い関係にあるのだということを弁えることが、五タラントを与えられている人です。神の恵みを実感することができる人です。

　二というのは、善悪を考える、利害を考えるのです。良いか悪いかを考えるのです。二は対立の数です。行いに重きを置く人のことです。人を善か悪か、良いか悪いかを区別するのです。こう考える人が大変多いのです。行いによって人の良い悪いを考えるのです。この人は二タラントを与えられている人です。

　ユダヤ人はいつもモーセの掟を考えているのです。いつも善か悪かを判断しているのです。

　一というのは、霊魂は自分のものだと思い込んでいる人です。日本人にはこういう人が非常に多いのです。人の指図は受けたくないと考えるのです。

　命は自分のものではないのです。神のあり方は勉強しなければ分からないのです。そこで、命を与えられた人は、命に基づいて生を勉強する責任があるのです。

　今皆様は命を経験しているのですが、生を見つけるためにはどうするかです。

　聖書に次のようにあります。

　「永遠の命とは、唯一の、誠の神でいますあなたと、また、あなたが遣わされたイエス・キリストを知ることであります」（ヨハネによる福音書17・３）。

　これがキリスト教では全く分からないのです。イエス自らが、イエス・キリストを知ることでありますと言っているのです。イエス自身が、イエス・キリストを知ることだと言っているのです。

　イエス・キリストを知るのです。信じるとは書いていないのです。これが難しいのです。イエスがキリストであることを知るという意味にもなるのです。また、イエスという本人を知るという意味にもなるのです。

　これはイエスを信じることではないのです。これはどこのキリスト教会でも全然分からない箇所です。

　イエス・キリストを知るというのは、単に頭で知ることではないのです。かつて、オートバイで現金輸送車を襲い、三億円を強奪した事件がありました。この男の親友で、なぜ三億円を強奪したのか。その金は今どこにあるのか。この男が今どこにいるのかをよく知っている状態を、イエス・キリストを知るということです。単にテレビや新聞で知ったのとは違うのです。

　知るというのをギリシャ語ではギノスコーと言います。塩を舌の上に置いてみますと塩の味がします。塩の実物を味わって知ることです。これをギノスコーと言うのです。

　塩の味はこういうものだということを、話として聞いているくらいでは、塩を知っているとは言えないのです。

　イエス・キリストを自分の舌の上にのせて味わってみるのです。自分の生活でイエスはこうして生きていたということを、実感的に知っていなければ、ギノスコーという言葉が使えないのです。これをして頂きたいのです。

　とこしえの命というのは神とイエス・キリストとを知ることです。神とイエス・キリストを味わうことです。これをキリスト教の人々は全然していないのです。

　ギノスコーというのは、砂糖を自分の舌の上にのせて味わってみることです。砂糖の味はこういう味だ。塩の味はこういう味だ。甘いと辛いはこのように違うということを、具体的に自分の命においてそれを経験することです。これをギノスコーと言うのです。

　イエス・キリストを知ることです。これができる人はめったにいないのです。皆様にこれをして頂きたいのです。

　今までの自分の考えが間違っているということだけが分かってもだめです。イエスご自身と、自分の生活で付き合ってみるのです。

　イエスは復活しているのです。呼べば答える所にいるのです。イエスを呼んで、イエスと一緒に生活してみるような感覚の中へ入り込んで頂きたいのです。

　皆様の魂は実はイエスのものです。新約時代、キリスト紀元において生まれた人は、知っていても知っていなくても、すべての人はキリストの厄介になっているのです。

　神の目から見ますと、キリストが復活したことによって、皆様には既に新しい命が与えられているのです。「イエスを死人のうちから甦らせたことは、すべての人間に新しい命を与えたことである」と、はっきり聖書に書いているのです（ペテロの第一の手紙１・３、４）。

　これがキリスト教では分からないのです。イエスが復活したことは分かっていますけれど、復活の命が私たちに与えられているということが分からないのです。与えられている復活の命をどのように受け取ったらいいのか。これがキリスト教では絶対に分からないのです。

　これは聖霊を受けなければ分からないのです。そのためには、御霊を受けて頂きたいのです。御霊を受けると自分の霊魂が自分のものではないことが分かるのです。自分の霊魂が神の霊魂になるのです。神に所属する霊魂になってしまうのです。

　霊魂の籍が変わってしまうのです。結婚すると籍が変わるように、戸籍が変わってしまうのです。ここまで行って頂きたいのです。

　ご年配の方は長老です。長老とはエルダー（elder）であって、これは経験する機能を意味するのです。人生の長老というのは、人生を自分で持っていてはいけないのです。経験する人生に入っていなければいけないのです。年の取りがいがある生き方はこういう生き方です。

　六十才や七十才にもなった方は、自分が生きていてはいけないのです。自分の人生が自分のものだと考えていることが、人間の最大の欠点です。

　皆様の五官は神の味を知っているのです。皆様の目は神の色を見ることができるのです。

　奈良の大和平原の写真には、神が現わしている天地自然の景色が現われていますが、そこには天地自然の色気が現われているのです。

　富士山の景色というのは堂々たる色気です。神の偉容がが出ていると同時に、神のすばらしい愛が出ているのです。大自然の愛が出ているのです。宇宙の神の位の厳かさが景色になって出ているのです。

　これは人間の霊魂にだけしか分からないものです。霊魂の目が開かれない人でも、見てはいますけれど色気が分からないのです。

　大自然は神が偽りのない愛情を示しているのです。人間の五官はそれを捉えているのです。人間の五官は霊魂そのものです。霊魂そのものの感覚が五官の感覚です。

　皆様は霊魂として、五官が神を直感することができるのです。ところが、皆様の頭の使い方が間違っているのです。

　前頭葉は未来を直感する機能です。頭頂葉では現在のことを考えている。後頭葉は過去のことを司るのです。

　前頭葉はまだ現われないことを捉えているのです。明日の天気はどうなのか。雲が西から現われると、明日は天気になるだろうと考えるのです。これは未来を考えているのです。これができるということは、未必の神が見えているはずです。

　明日の天気が分かるという人は未来が分かる人です。未来が分かる人とは、自分の霊魂のことが分かる人です。今、今、今というジスタイム（this time）が分かる人です。

　ジスタイムということは未必の神が既必になって現われている時です。今、今、今という間に今はなしという格好で神が流れているのです。今神がいるということが感じられるようなセンスが人間の中にあるのです。それくらいの鋭敏な感覚が皆様の中にはあるはずです。

　雲の流れを見ることができていながら神が分からないというのは、霊魂の使い方が間違っているからです。イエスはこれを偽善者と呼んでいます。天気を知ることができていながら、自分の霊魂が分からないのかと叱っているのです。

　神は未必です。必ずそうなるに決まっているけれども、まだ現われていないことが未必です。もう三十分経過したら三時になるとします。これが未必です。必ずそうなることが未必です。

　人間はこうなればこうなることが分かっているのです。かくなればかくなると知りながらということが未必です。かくすればかくなることが分かっていることは、神が分かっている証拠です。未だ現われていないことが、現われているように分かるのです。これを未必というのです。

　未必は犬や猫には絶対分かりません。主人の足音を聞いたら尻尾を振る犬はいます。足音を聞くというのは未必とは違うのです。これは既必です。

　皆様には神の姿形が全く見えないのに、神が感じられるのです。神が感じられなければ、私の話などは聞きたくはないのです。未必の神、未だ感じられないけれども、神が実在するに決まっていることを、皆様の霊魂はかぎつけているのです。これをかぎつけることができる人は、とこしえの命を掴まえることができる縁がある人です。この縁を活用して頂きたいのです。

　それをどんどんと積極的に活用するのです。神の実物を知ること、イエス・キリストの本体を知ることの他に、永遠の命はありません。ありませんからこれを知るしかしょうがないのです。

　阿弥陀如来とか観世音菩薩とかをいくら信じても、生の人間ではありませんからだめです。生の人間が分からなければいけないのです。

　生の人間が救われるためには、生の人間であった人格を知る必要があるのです。生の人間でありながら、永遠の命を持っていた人格を掴まえるのです。これがイエスを信じることです。

　イエスは命で生きている状態で生を掴まえたのです。生きている間に生が分かっていたのです。イエス自身が自分のことをイエス・キリストと言っているのです。イエス・キリストを知ること、それを他人のように言っているのです。

　イエス・キリストを知ることは、この世に肉体を持っていた状態で知ることです。皆様の五官は現実に神と交われるのです。現実に神と交わっているのです。味が分かる。色が分かる。香りが分かるのです。香りというのは女性にはよく分かるようです。男性よりも何倍も鋭いのです。

　人間の五官の働きが実は永遠の命を感じているのです。私たちはこの世に生まれる前に、五官の機能を持っていたのです。生まれる前に、目の働きや口の働きを知っていたのです。だから、生まれてすぐに母親のおっぱいを飲んだのです。

　赤ちゃんは母親の胎内にいる間に、母親の血液の流れを聞いているのです。血液の流れは相当に強いようですが、皆様も自分の心臓の音を聞いてみてください。これを赤ちゃんはお母さんの胎内にいる時に聞いているのです。音楽のように聞いているのです。

　赤ちゃんは母の胎内にいる時に、耳が働いていたのです。これが霊魂の働きです。生まれる前に霊魂が働いているのです。生まれてから二十四時間以内におっぱいを飲むのです。

　皆様の五官の働きは生まれる前の命の続きです。それが現在も働いているのです。八十才、九十才になってもまだ働いているのです。やがてその働きは止まります。止まったらもうだめです。

　五官が働いている間に、現物の命、現物のイエス・キリストを掴まえるのです。これをどうして掴まえるかです。これを掴まえますと、自分の五官の働きの本源が分かるのです。自分の舌の働きがどこから来ているのかが分かるのです。そうすると、生まれる前の命が分かるのです。

　生まれる前の命というのは、生まれていないのですから、死なないのです。生まれていないのですから、死ぬはずがないのです。

　生まれる前の命がはっきり分かると、永遠の命、死なない命が分かるのです。

　イエス・キリストが分かると、生まれる前の自分の五官の状態が分かるのです。生まれる前に自分の命の状態はどのようであったのかが分かるのです。分かるだけではなくて、生まれる前の命を引っ張り出して、それを今生きることができるのです。

　現在、皆様の目や舌は、生まれる前の命で生きているのではありませんか。生まれる前の舌の感覚で、ミカンやリンゴ、柿や梨を食べているのです。

　生まれる前の舌の感覚を、皆様は毎日、毎日使っているのです。実は生まれる前に神に与えられていた死なない命、永遠の命、神の命の実物が、皆様の五官の働きになって魂に植えられているのです。これを神の言というのです。

　神の言が五官になって植わっているのです。

　ヤコブは言っています。

　「だから、すべての汚れやはなはだしい悪を捨て去って、心に植えられている御言を素直に受け入れなさい。御言には、あなたがたの魂を救う力がある」（ヤコブの手紙１・21）。

　私たちに植えられている五官という神の言を、素直に受けなさいと言っているのです。そうすると、この言(ことば)がそのまま魂を救う力があるのです。

　心に植えられているとありますが、これは正しくないのです。命に植えられているのです。これを受けるのです。

　言とは何かと言いますと、遺伝子のことです。現代の科学の水準で言いますと、神の遺伝子が人間に五官として働いているのです。

　遺伝子を掴まえるのです。今の学問では遺伝子を捉えることができないのです。信仰によるしかないのです。信仰によって遺伝子を掴まえるのです。神からのものを私たちは与えられているのですが、これは肉体的に生きているという条件によって与えられているのです。

　肉体というものの条件とは何かを究明していくこと、実は肉体ではなくて霊なのです。皆様が舌で砂糖を味わっているのは肉とは違うのです。甘いというのは何かと言いますと、言です。砂糖という神の言に、皆様の五官が反応しているのです。そこで甘いと感じるのです。

　人間の中に神の永遠の遺伝子がはっきり植えられているのです。これが五官という機能です。

　そこで、自分の舌が味わっているという感覚からもう一歩前進するのです。百尺竿頭進一歩をするのです。これは石霜和尚と長沙景岑禅師との問答と言われています、三十メートルもの長い竿の上に立って、歩を進めるのです。不可能と思われることをするのです。自分から離れるのです。

　自分から離れて五官を見るのです。そうすると、舌の感覚は自分の感覚ではなくて、神の感覚だということが分かるのです。塩の味は神がつけたのです。神がつけた塩の味が分かるというのは、人間が分かるのではなくて、舌の働きが分かるのです。神の感覚に合うようにできている舌の感覚で分かるのです。

　神の味を人間の舌で味わい分けるということは、神そのものを認識する能力が五官にあることを意味しているのです。皆様の目や舌は神を見分ける力を持っているのです。

　言には魂を救う力があるとあります。言は命に対する見解を変えてしまうのです。

　舌は神の感覚が分かるのですから、これは実は神の感覚です。神の感覚が舌にあるところを見ると、人間は生ける神の子です。世間並の人間とは違うのです。親から生まれた人間とは違うのです。

　魂は神から生まれた魂なのです。これがはっきり分かるのです。だから、私は生ける神の子であると言えるのです。もし私の舌が神から生まれていなければ、神がつけた味が分かるはずはないのです。

　信仰とは、私が神を信じているのではないのです。信仰という言葉は神の思想をいうのです。神の思考方式をいうのです。神の考え方を信仰というのです。それを私たちが使いこなしたらいいのです。

　神がつけた味が私に分かるように、神の考え方が私にもできるのです。そうすると、私の命は神の命と同じ命なのです。これが分かるのです。だから、私は死なないと言えるのです。死なない命を今経験しているのです。

　神を信じるというのは神に同化することです。神人合一です。神と人が一つの命に生きることです。イエスはこれを実行したのです。

　自分の命はどこにもないのです。これが分かると、自分が消えるのです。そうしたら、地獄のない世界へ行けるのです。自分が生きている間は地獄はあります。皆様は実は自分ではない生活をしているのですが、自分が食事をしていると思っているからいけないのです。自分が食事をしているという格好はありますけれど、その内容は自分ではないのです。

　食事をするということが霊です。神がつけた味を、神から与えられた舌で味わっているのです。

　神と人の霊が交わっているのです。こういう格好がなければ神と交われないから、こういう格好があるのです。格好だけを信じることを肉の思いというのです。格好だけを信じないで生きている状態を信じるのです。これを霊の思いというのです。コンディションを信じるのです。

　目に見える人間の格好を信じないで、生きている状態を見るのです。生きている状態に目を付けるか、一メートル何十センチの人間の格好を信じるかの違いがあるだけです。これで世界が全く変わってしまうのです。

　これはできないことではありません。やろうという決心があれば誰でもできるのです。

　自分が生きているのは主体性です。神に生かされているというのは客体性です。自分が生きているという主体性で、神に生かされているという客体性を掴まえるのです。命で生を掴まえるのです。五タラントという命を与えられたので、生という別の五タラントを掴まえるのです。そうしたら、十タラントになるのです。

　十は命の完成の数であって、十になれば人間の命は現世から出てしまうのです。これを実行して頂ければいいのです。そうしたら、死がなくなるのです。死から脱出する方法はこれしかないのです。

（内容は梶原和義先生の著書からの引用）