千年王国

約束とは何か。闇を滅ぼすためにはどうするか。淵のおもてに座りこんだ闇を自滅させるためには、約束という方法しかないのです。これは神の御心の中心です。約束を知らなかったら神は絶対に分からないのです。神の約束が成就して、やがて神の王国が実現します。キリストの復活の事実が現われるのです。その時千年王国という人類の理想が具体的に現われるのです。

人間に泥棒根性がなかったらいいのにと思う。泥棒根性がない国が現われるのです。アメリカがソ連の国民を好意的に見て、ソ連がアメリカの国民を好意的に見ることができれば、核兵器は必要ではなくなるのです。

なぜそれが実現できないのか。千年王国にはそれが実現するのです。王国が完成することが私たちの目的です。私たちの信仰が完成して携挙(けいきょ)されても、王国が実現される見通しがつかないなら、また地上は混乱します。そんなことはあってはならないのです。私たちが携挙されるまでに、王国が実現される体制を実現しなければならないのです。

ユダヤ人にどういう指導をするのか。私たちは天に上ることになるのです。空中でキリストに会うのです。しかしイスラエルの指導者は地上にいるのです。ユダヤ人が地球上にいるままの状態で千年王国が実現するのです。

私たちは天に上がり、キリストの幕僚になる、キリストの花嫁になるのです。キリストとその花嫁が王国の指導者になるのですが、その前にイスラエルが回復されなければならないのです。王国が実現した時に、ユダヤ人にどのように指導すべきか、キリストの復活がこの地球上に現われると、地球の歴史も、学問も、常識も、全部変わってしまうのです。

人間の道徳や法律の原理が、どのように変わるのか。神をどのように信じるのか。命をどのように見るのかということを、ユダヤ人の指導者に教えなければならないのです。

私たちは新しい時代の責任を持たなければならないのです。王国の責任が持てる者、その責任を持った者、イスラエルにそのことを教える仕事をした者だけが携挙されるのです。それをしなかった人は携挙されません。

皆様は霊に従いて歩むことが、きちっとできなければいけないのです。そんな事はできないと思ったらいけないのです。全く空しくなって、神の中へ入ったらいいのです。神の腹に入ったらいいのです。御霊の指導に従ったらいいのです。

生きているということが神の知恵です。生きていることが神の命です。神の命をそのまま自分の知恵にする。これがイエス・キリストの信仰です。自分の知恵とか自分の命はいらないのです。自分の知恵とか自分の命というものがなければならないように考えるのが間違っているのです。今皆様が生きているのが、イエスの命です。イエスの知恵です。

夫婦の場合、これをどのように見ていくかです。夫婦の交わりは一番すばらしいものですが、一番難しいのです。これが般若波羅密多です。般若波羅密多というのは、死んでしまうこととは違うのです。向こう岸へ行くのです。こちら岸に生きていた者が向こう岸へ引越しするのです。これができなければいけないのです。

現世に生きている人が、向こう岸へ引越ししてしまうのです。般若心経の根本原理が、そのまま私たちの生活原理になるし、これが信仰の土台になるのです。異邦人の信仰の土台の上に、新約、キリストの復活という大テントが建てられるのです。

般若波羅密多という地盤の上に新約が立てられるのです。般若波羅蜜多のことを悔い改めというのです。心を更えるのです。心を更えたという地盤の上に、神の国という殿堂、イエス・キリストの甦りという殿堂が建てられるのです。これが千年王国です。

そうしますと、「わが顔の前に何者をも神とするな」ということが実現するのです。「みだりにわが名を口にするな」ということが実行できるのです。

わが神の前というのは、生きている現実です。生きている現実の中で、我の他何者をも神とするなというのです。生きているという状態の中で、自分の思想を持っていてはいけないというのです。

わが顔の前というのは、今生きている瞬間です。この瞬間に自分が生きていてはいけないのです。現実という時間において、自分が生きていてはいけないのです。これをよく考えて頂きたいのです。

肉の思いは死です。これが分からないのです。

現実という時間をどう生きるのか。これが信仰の問題です。現実をどのように生きるかによって、その人の周波の数が決定するのです。周波の数によって、肉体が霊体になるかどうかが決定するのです。

「肉に体あり霊に体あり」とパウロが言っていますが、携挙される時には霊の体にならなければいけないのです。信仰というのは、具体的に、現実に生活していて、聖書にきちっと当てはまるような感覚で神を捉えるのです。これができなかったらいけないのです。

頭で分かっていてもハートで分からなければいけない。ハートで分かっても、生活に現われてこなければいけないのです。

愛しあうというのはどのようにしたらいいのか。これは聖書にも書いていないのです。この末の時代には、聖書の言葉をのみこんで消化することが必要です。これがそのまま千年王国の指導原理になるからです。これがわが顔の前に何者をも神とするなという言葉の実現になるのです。

千年王国においては、モーセの十戒が世界の憲法になるのです。千年王国の実現は日本から出る生ける神の印を持つ東方の天使に任ねられているのです。これが千年王国の原理を決定するのです。このことを神が預言しているのです。私たちはそういう責任を負わなければならないのです。

肉というものがどのように霊に変化するのか。肉が霊的に変化し、霊が肉的に変化する。イエス・キリストの復活という霊的な事実、イエス・キリストが死を破ったという大いなる事実が、千年王国においては世界歴史のまん中におりてくるのです。

イエス・キリストが人間歴史のまん中に下りてくるのです。そうすると、地球の歴史がイエス・キリストの復活によってどのように変化するのか。変化するような指導がなされなければいけないのです。

今私たちが肉体にある状態で、霊なる復活をどのように受け取るかということです。肉体を持って現在生きている我々が、霊なる復活をどのように受け取るのか。これがマスターできないようでは、王国の指導原理は生まれてこないのです。

私たちの信仰によって、世界中の人間が肉を霊に変え、霊を肉に変えることができるのです。肉ばかりのユダヤ人の三Ｓ政策が、霊のキリストの復活に変わってしまうのです。この原理をユダヤ人に指導しなければならないのです。イスラエルの回復を祈る以上は、責任があるのです。祈るだけ祈って、あなたがたは勝手にして下さいではすまないのです。

こういう大きい責任を私たちは持たされているのです。人間の歴史が始まってから、こういう責任を持たせられた霊魂はありませんし、またそういうグループもないのです。この大責任を自覚して引き受けることになりますと、御霊(みたま)はどんどん助けてくれるでしょう。信仰によって歩むなら、御霊はどんどん教えてくれるのです。

これは人間の歴史始まって以来の大指令です。大事業です。回天の大事業です。天が変わってしまうのです。天が変わると天候が変わり、気候が変わるのです。天候と気候が変わってくると、地球の条件が皆変わってしまうのです。天さえ変われば、地球の条件は変わってしまうのです。天のあり方を巡らすのです。天を変えてしまうのです。回天の事業を神から命じられているのです。

人間が復活を信じることができるとはどういうことなのか。肉体を持っている人間が、復活を信じることができるのです。パウロのような人でさえも、初めはイエス・キリストが復活したということを、ペテロやヨハネが言うのを怒ったのです。死ぬべき人間、また死んでしまった人間が、本当に復活するというばかなことがあるはずがない。そんなことを絶対信じないと言って、ナザレ派の人をつかまえて牢獄に送ったのです。そして殺したのです。

パウロは肉体を持っている人間が死なないとか、死んだ人間が完全に甦るとか、そんなばかなことが信じられるはずがないと思ったのです。復活を言わなければ、パウロはもっと早くイエスを信じていたでしょう。山上の垂訓だけのようなことをイエスが言っていたら、大賛成だったでしょう。

神は全能ですから処女降誕はあるかもしれない。「乙女孕みて子を生まん。その名をインマヌエルと名づけるべし」。これならパウロも反対しなかったでしょう。

ところが、死んだ人間が完全に復活するとは聖書に書いていないのです。それで反対したのです。聖書に書いていないことをイエスが実行するなら、イエスは大悪人ではないかとパウロが考えたのです。パウロは命がけで反対したのです。このパウロが、今度は命がけでキリストを証しはじめたのです。今私たちは異邦人でありながら、パウロの信仰を受け継ぐように、神から命じられているのです。

肉体を持っていながら復活を信じることができる私たちは、物理世界の現実を霊に変えてしまわなければならない責任があるのです。まず肉の異邦人の世界を霊なる人間の世界に変えることが千年王国です。千年王国が終わったら、人間全体、地球全体、万物全体が全部新天新地の中に入ってしまうこと、これをしなければならないのです。この責任を私たちは持たせられているのです。

この二つの責任を持たせられているのです。千年王国の責任と新天新地の実現です。これが教会時代の終わりに、私たちに与えられた責任です。

私たちは神の計画についていくだけです。私たちが救われるためではないのです。自分が救われることはないのです。人の子が救われるのです。自分が救われるのではない、人の子が神の子になるのです。そうして神の栄光の自由が現われて、万物が救われるのです。万物はそれを待っているのです。

こういうことが目的ですから、自分の信仰がいいとか悪いとかを考えてはいけないのです。今まで肉的に生きてきたことを悪いと人間は思っているのです。これは肉の思いは死であるということを、自分自身で知っているのです。これを捨てたらいいのです。肉的に生きていた自分の悪さを捨てる。生きているということは霊です。これを肉の思いで使っていたのです。自分のリビングを自分の肉の思いで占領していたのです。それをやめるのです。

そうすると生きているということだけが残るのです。これが霊の思いで生きていることになるのです。これがそのまま生ける神の子になるのです。

（内容は梶原和義先生の著書からの引用）